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2023年 日本のB2B SaaSにおける最も重要な4つのトレンド

日本におけるSaaSのトレンドを知ることは、この市場に進出する企業にとって非常に重要です。データドリブンなアプローチにより、適切な方向性を導き出し、コスト効率よく迅速に市場進出を実現しましょう。

SaaS(Software-as-a-Service)は、重要なプロジェクトや作業の進め方、およびその管理方法に革命を起こしました。また、SaaSを導入した多くの企業が、ビジネスのグローバル展開を容易に実現しています。イノベーションとアコモデーションはSaaSの核心です。

日本のSaaS市場は、過去2年間において13%の成長率を維持しており、2025年には1兆5000億円の規模になると言われています。日本におけるSaaSのトレンドを知ることは、この市場に進出する企業にとって非常に重要です。データドリブンなアプローチにより、適切な方向性を導き出し、コスト効率よく迅速に市場進出を実現しましょう。

カスタムメディアは、バイリンガルの調査・コンサルティング会社です。私たちは、日本市場参入を目指すB2BおよびD2C企業へ様々なサービスを提供しています。今回ご紹介する4つのSaaSトレンドも熟知しており、お客様の日本市場への参入と、ビジネス成長を成功させるための支援を行なっています。

SaaS業におけるAI・MLの台頭

現在の日本では、あらゆる部門において、業務を最適化するために人工知能(AI)や機械学習(ML)を活用する動きが広がっています。AIは、市場に関する様々なデータを継続的に収集し、製品の需要、市場規模、参入障壁、顧客に関する情報を提供します。これは新たな市場へ参入する際にも、非常に役立ちます。

MLは、膨大な量のデータの中から簡単にパターンを特定し、実用的なインサイトを生成します。これによって、生産、価格、在庫管理に関する意思決定の速度を高めることができるようになります。MLによって得られる深いインサイトは、企業が日本で事業を開始する際にも、より良い意思決定を行うための大きなサポートとなるでしょう。

また、AI/MLはサイバーセキュリティの徹底を促します。これにより、企業経営に破壊的な問題が起こる前に、潜在的なセキュリティ脅威を特定し、解決することができます。

AI/MLが企業に貢献できるもう一つの手段は、人材コストの最適化です。たとえば、アポイントメントの設定、メモ取り、メール対応などのルーチンワークには、デジタルアシスタントを活用することができます。また、日本でも人気が高いチャットボットは、顧客のシンプルで日常的な問題や要望に対応することができます。これによって、オペレーターの人材不足を補うことができ、カスタマーサポートのオペレーターは、より複雑で重要な対応にのみ集中することができるようになります。他にも、従業員を採用する際に、AI/MLを利用して採用プロセスを効率化すれば、企業の成長に貢献できる候補者を確実に選ぶことができるでしょう。

AIの活用なしで競争優位に立つことができるのか?

ジェネレーティブAIは、日本における企業のマーケティング対応を一変させる可能性があります。ジェネレーティブAIを利用すれば、アニメーションやバーチャルリアリティ(VR)への応用はもちろん、さまざまなプラットフォームにおいてユニークで魅力的なコンテンツを簡単に作成することができます。ジェネレーティブAIを適切に活用することにより、企業が市場でブランドを確立する前から、オーディエンスに企業とその製品に興味を持たせることができます。

デジタルマーケティングにジェネレーティブAIの機能を活用し、ウェブサイト、ブログ、ソーシャルメディなどの魅力的なコンテンツを制作することができます。また、ジェネレーティブAIは、シミュレーション環境において、能動的な視覚化と調整を可能にします。これにより、顧客は企業の製品やサービスと密接にやり取りすることができます。このようなインタラクションを通じて得られた顧客データは、将来の製品機能やサービスに対する企業の意思決定の指針となります。

多くのSaaS企業が、複数のビジネスエリアからデータを収集、合成、活用することができるAI/MLのプレミアムパッケージを提供しています。これらを導入することで、日本市場での長期的な成功につなげることができます。

Trends in B2B SaaS in Japan for 2023

クラウドファーストとクラウドサービスの進化

日本でも現在DXが急速に進んでいます。一方で、今でもクラウド活用に慎重な企業も少なくありません。これは、セキュリティ上の懸念に加え、老舗企業が数年分のデータをクラウドにアップロードするには、より多くのリソースが必要になることが多いからです。したがって、日本市場に参入する際にクラウドベースのソリューションを採用することは、コスト効率を上げ、競合他社に差をつけ、参入後の迅速な意思決定を可能にする賢い方法なのです。

また、クラウドERPシステムの利用は、国境を越えたコラボレーションを容易にします。本国の専門家が日本のチームとコミュニケーションを取りながら作業を進め、日本市場向けに、さまざまなビジネスプロセスを迅速にカスタマイズすることができます。

現在、日本は高齢化などによる人材不足の課題に直面しています。このような状況下では、新しいオフィスのコア・オペレーションを管理するスタッフをすべて採用するのは難しいでしょう。しかし、クラウドERPを活用すれば、この課題を解決することができます。日本の実情に対応する必要がある生産・販売・マーケティングといった部門は現地のチームで対応し、管理・人事・財務といった管理業務に関しては、現地の代理店にアウトソーシング、もしくは本社のチームで対応します。

クラウドファーストの価値とは?

クラウドコンピューティングや、エッジコンピューティングも、昨今の日本企業に人気のあるソフトウェアソリューションです。2027年には2070億円市場になると予測されており、長い間オンプレミスでのデータ保存やアクセスを好んでいた日本企業のニーズに対応する新たなソリューションとして注目されています。また、これらのソフトウェアは、高速かつ低遅延のネットワークを提供し、クラウドコンピューティングに関連するセキュリティリスクを軽減します。クラウド / エッジコンピューティングのアーキテクチャを活用することで、AI/MLの最新技術にアクセスでき、信頼性の高い運用基盤を構築することができます。

ゼロトラスト・フレームワークは、新しい運用環境において、クラウドとエッジの運用をサイバーセキュリティのリスクから保護することができます。ゼロトラスト・アーキテクチャでは、組織のネットワークやデータへのアクセスをユーザーに許可する前に、さまざまな形式の認証を使用します。また、ユーザーがネットワーク内の許可された領域にとどまっていることを確認するために、常に検証を行います。これにより、従業員やコンサルタントが世界のどこからログインしても、企業のデータに対して高いセキュリティを確保することができるのです。ゼロ・トラストのフレームワークを備えたSaaSを利用することで、在宅勤務やハイブリッド勤務などの多様な働き方が進んでいる日本においても、クロスボーダー業務の改善と情報保護が容易になります。

Web 3.0とメタバース

Web3.0、通称Web3は、インターネットの分散化、ブロックチェーン技術、トークンエコノミクスの概念を包含しています。これらの技術は、特に日本への進出を考えている企業にとって、イノベーションと市場資本化のための新しい道を提供するものです。

ブロックチェーン技術は、データ収集に第三者が関与する必要性を低減または排除することができます。この技術を活用すれば、企業は、市場や顧客により近づくことができるようになり、より少ないソフトウェアでデータを収集、合成、分析できるようになります。ブロックチェーン技術は、企業のさまざまなSaaSニーズに対応するコストを削減し、ビジネスの収益性を向上させ、より高度なインサイトと意思決定を提供します。

また、トークン・エコノミーは、高度にデジタル化された日本経済のような先進国市場に進出する企業にも新たな機会を提供します。この技術は、顧客に対して企業の提供物をパーソナライズ化するのに役立ち、新しい市場でより強いブランド認知度と顧客ロイヤルティを生み出すことができます。

Trends in B2B SaaS in Japan for 2023
カスタムメディアがオフィスを構えるCIC東京のようなイノベーションハブには、多くの革新的なSaaSスタートアップが拠点を構えています。

日本のメタバースへの取り組み

日本は、新しいメタバース技術をいち早く導入してきました。日本には、国内外の投資家から資金を受け、複合現実(MR)、拡張現実(AR)、仮想現実(VR)の分野でイノベーションを起こす何千ものスタートアップ企業が存在しています。

デジタルツイン技術は、メタバースの一側面として、数多くのビジネスへ実用的な応用が期待されています。デジタルツインとは、現実の状況を高度に再現した仮想環境のことです。日本では、倉庫、製造、物流、小売のオペレーションを仮想環境からコントロールするツールにこの技術が活用されています。また、デジタルツイン技術を利用すれば、新規事業を立ち上げる際に、多額の資金を費やす必要がなくなります。

量子コンピューティングの需要が増加

量子コンピュータは、現代の古典的なコンピューティングプロセスを大幅に改善しました。大量のデータを多次元的に処理し、ビジネス上の問題に対してより包括的な解決策を生み出すことができます。日本においても量子コンピューティングの需要は増加しており、SaaS市場においても重要な技術の一つとなっています。

量子コンピュータは、堅牢なデータ暗号化機能や、高度な侵入検知機能で、サイバーセキュリティを向上させることができます。このような機能は、日本市場に参入する前も後も、企業のビジネスをサイバー攻撃の脅威から守ります。さらに、量子コンピューティングSaaSが提供する多次元的なソリューションは、生産、販売、マーケティング、財務など複数の業務分野でより効率的なプロセスを同時に実行することを可能にします。

日本におけるSaaSソリューション

日本でもB2B SaaSの革新的な技術が発展しています。外資系企業が日本市場に参入する際には、関連技術を導入する準備が必要でしょう。各トレンドを徹底的に分析し、適切なテクノロジーを採用するには、まず新拠点に必要な人員を確保する必要があります。日本には慢性的な人材不足の課題がありますが、その中でもITやデジタルの専門家は特に不足しています。このように即戦力となる人材確保が非常に難しい場合、カスタムメディアのようなサードパーティーを活用することが現実的で的確な解決策となります。日本のSaaS市場に精通したプロフェッショナルのサポートを得て、迅速かつ効果的に市場参入やビジネスゴールを成功に導きましょう。

カスタムメディアは、日本市場に精通し、豊富な経験と知識を持つB2BおよびD2Cマーケティング・広告代理店です。日本市場に最適なソフトウェアソリューションを取り入れるために必要な専門知識を提供します。私たちは、SAP2027年問題に対応した業務の最適化など、新しい市場でテクノロジーを導入する際の課題を解決するお手伝いをします。日本市場でのビジネスをお考えの場合は、どんなことでも構いません。ぜひ、一度、私たちにご相談ください。お客様のビジネスのゴールに最適なSaaSマーケティングサービスをご提案いたします。

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